社団法人鹿児島県臨床工学技士会

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高気圧酸素

高気圧酸素治療の様子1 高気圧酸素治療の様子2

高気圧酸素治療 Hyperbaric Oxygenation (HBO)とは

密閉したタンクの中で、普通の気圧より高い気圧環境をつくりその中で高濃度の酸素を吸入し血液中に溶け込む酸素の量を増やす事で、低酸素症により引き起こされる様々な症状の改善を図ろうとする目的でおこなわれる治療です。

高気圧酸素治療装置

装置には収容する患者の数によって第1種装置と第2種装置とに分類されます。

1:第1種装置
1回の治療に患者1名だけを収容する装置で、この装置では装置内を純酸素で加圧する形式と圧縮空気で加圧する形式があります。
純酸素で加圧するとそのままで高気圧酸素呼吸を行うことができます。
圧縮空気加圧では装置外から呼吸用の酸素を別に供給します。
2:第2種装置
同時に2名以上の患者や医師や医療職員など多人数を収容できる装置で、この装置は圧縮空気のみで加圧しマスクなどで患者にだけに酸素を投与します。

高気圧酸素治療の適応

適応としては、作用機序より酸素の供給と高気圧の物理的な作用との相乗作用によって、治療効果を期待する疾患や病態への適応と、さらに異常に上昇した酸素分圧による酸素の毒作用、殺菌作用による適応があります。適応はさらに2分され救急的適応疾患と非救急的適応疾患とに分類されています。

1:救急的適応疾患
低酸素状態によって引き起こされる病態や疾患で比較的短期間に生命に危険が及んだり、重い後遺症が残ると考えられ、緊急に何らかの処置や対応を必要とするもので、かつ、発症後7日以内の疾患および病態とします。
2:非急的適応疾患
通常の酸素投与によっては症状を改善できないが、大気圧を超える高分圧酸素吸入によって症状の改善を期待できる疾患および病態並びに救急的適応疾患のうち発症後7日を越えて治療を必要とするものとします。

高気圧酸素治療による副作用

高気圧酸素治療を行う場合、どうしても通常よりも高い気圧環境を必要としますので気圧の変動により様々な気圧障害が発生し易くなります。

1:聴器障害(気圧外傷)
耳管の狭窄又は閉塞によって外耳道と中耳腔に圧力さを生じて発生します。
2:副鼻腔障害
副鼻腔洞口の狭窄又は閉塞圧力さを生じて発生します。
3:肺損傷
息こらえ又は呼吸停止等によって気道・肺胞系の内圧が環境圧依り高くなった場合に発生します。
4:酸素中毒
高い分圧の酸素の毒性によって発生する臓器障害を酸素中毒といいます。中枢神経系酸素中毒と呼吸器系肺酸素中毒があります。
5:減圧症
空気加圧時に組織中に溶解した過剰な窒素が、急速な減圧によって気泡化して毛細血管を閉塞したり大きな血管に空気塞栓を発生します。 高濃度の酸素を呼吸する患者では発症はほとんどありませんが、第2種治療装置内で治療に従事する職員は、減圧時に酸素マスクをしないと発症の可能性は大きいです。

高気圧酸素治療の安全管理

密閉して高い気圧と高濃度の酸素の環境の中に患者を収容する為その実施にあたっては安全性に関する高度の配慮が必要です。